【現役師長が伝授】看護師の5つの退職理由と円満退職する方法

看護師を辞めたい気持ちは、あなた一人が抱えている悩みではありません。

多くの看護師が同じように悩んでいます。

この記事では円満退職する方法をお届けします。

看護師のよくある退職理由

看護師の主な退職理由は以下の5つです。

1. 職場環境への不満
2. 給与や待遇への不満
3. 心身の健康問題
4. ライフステージの変化
5. スキルアップやキャリアチェンジ

自分の状況と照らし合わせて気持ちを整理するヒントにしてください。

1.職場環境への不満

職場の不満は

• 人間関係のストレス
• 過剰な業務負担
• 休暇を取りにくい空気

で起こります。

看護業界では、

• ナースステーションなど大勢の前で厳しく叱責される
• 「見て覚えろ」という雰囲気で、基本的なことでも質問しづらい
• 問題が起きた際、チームで助け合うのではなく個人の責任ばかりが追及される

など、残念ながら、こんなことが許されています。

さらに、

• 始業1時間以上前の出勤が必須な「情報収集」という名の無給労働がある
• 毎日2〜3時間のサービス残業が常態化している
• 自分の担当患者のケアに加え、ナースコール対応に絶えず追われる

など、過剰な業務で心身が疲弊します。

疲弊した心身を休めたくても、

• 「みんな忙しいのに」「人手が足りないのに」と、休むことへの罪悪感を煽られる
• 病棟全体で有給消化率が極端に低く、そもそも申請する人自体がいない
• 希望休を申請しただけで、先輩の機嫌が悪くなるのが見て取れる

こんな状況ですよね。

2.給与や待遇への不満

仕事の責任や業務量に対して、給与が見合わないと感じることも大きな理由になります。

• 命を預かる重い責任を負っているのに、サラリーマンと給与が変わらない
• 心身への負担が大きい夜勤を月に何回もこなしているのに、給与が少ない
• 委員会活動や研修の課題など、給与が発生しない業務外の負担が多すぎる

頑張っても報われない雰囲気も辞めたくなります。

たとえば、

• 「頑張り」や「態度」といった曖昧な項目で判断され、具体的なスキルや業務達成度が評価されている気がしない
• 必死に働いてスキルを身につけても、昇給はほとんどない

など

3.心身の健康問題

夜勤や人間関係のストレスで心身の健康問題も退職理由になります。

たとえば、

• 夜勤明け、寝付けず次の勤務まで疲労が全く抜けない
• 勤務前になると動悸や強い不安感に襲われ、気分がひどく落ち込む

4.ライフステージの変化

妊娠・出産・育児は、働き方を見直す大きなきっかけになります。

たとえば、

• つわりが辛い時でも休めない
• 仕事と育児のダブルワークによる疲労で、ミスを起こしかねないという恐怖感が常にある

5.スキルアップやキャリアチェンジ

職場環境への不満や給与への不満が増えれば、報われる分野で活躍したいと転職を検討する人も多いです。

たとえば、

• 患者の生死に直結しない環境で、自分の資格を活かしたいと考えたとき
• 人が「美しくなる」「自信を持つ」といった、ポジティブな変化を支える仕事に魅力を感じたとき

など

看護師が上司に退職理由を伝えるときのポイント

退職の意思を円満に伝えるには、3つのポイントがあります。

1. ポジティブな退職理由を考える
2. 嘘をつかずに誠実に伝える
3. 引き止められにくい理由を選ぶ

1.ポジティブな退職理由を考える

退職理由は、未来への希望や目標に置き換えましょう。

たとえば、

• 夜勤をしたくない→今後の長い看護師人生を見据え、日勤中心の規則的な生活リズムで心身のバランスを整え、改めて看護と向き合いたいと考えています
• 頑張っても報われない→自分の成長を実感できる環境で、看護師としての専門性を磨きたいと考えています

など将来のためにどうしたいか前向きに考えて言語化しましょう。

2.嘘をつかずに誠実に伝える

看護業界は狭いので嘘をついて退職すると自分の首を絞める事になります。

たとえば、

• 上司と採用担当者がつながっていて、面接で伝えた退職理由と事実が食い違っていて信用を失う

という事例があります。

3.引き止められにくい理由を選ぶ

職場が改善を提案しにくい理由を選びましょう。

たとえば、

• 現在の職場にはない、〇〇科（例：小児科、産婦人科）での専門スキルを追求したい
• 看護師の資格を活かし、企業（産業看護師）や公務員（保健師）など、全く別の業種に挑戦するため

だと引き止められず、スムーズに退職できます。

看護師が円満退職するためのステップ

円満退職を実現するには、計画的な3つのステップを踏むことが大切です。

1. 上司への報告
2. 退職届の準備と提出
3. 業務の引き継ぎ

1.上司への報告

退職を決めたら、最初に伝えるのは師長です。

師長は病棟の責任者でシフトや人事を管理しているからです。

いきなり本題に入らずに「ご相談したいことがあります」と伝え、2人で話せる時間を作ってもらってください。

伝えるタイミングは退職希望日の1〜3ヶ月前がベスト。

2.退職届の準備と提出

退職日が決まったら退職届を準備します。

退職届は指定のフォーマットがある場合とない場合があります。

ある場合はそれに沿って記入して提出します。

ない場合は以下を参考にしてください。

• 市販の白い便箋に縦書きで「退職届」と記入
• 用紙： B5またはA4の白無地の便箋
• 筆記具： 黒のボールペン
• 内容： 退職理由は「一身上の都合により」とし、退職日、提出日、所属部署、氏名を書いて捺印

提出先は師長が一般的ですが、

病院の規模によっては、

• 人事課・総務課
• 院長・事務長

になることもあります。

3.業務の引き継ぎ

退職時の引き継ぎは「あなたがいなくなった後も、業務全体が滞りなく進むこと」を目的として行います。

• 患者様の入院から現在までの「全体的な経過」の共有
• 患者様ケア以外の「役割」の引き継ぎ

┗委員会の役割

┗プリセプター業務の引き継ぎ

┗マニュアル化されていない業務のコツ

まとめ

看護師の退職理由から円満退職の具体的なステップまでを解説しました。

退職・転職は、より良い未来を選ぶための勇気ある一歩です。

ここまで読んで、今の職場から抜け出したいと思った人は、